〇Tietze(ティーツェ)症候群 (図:●)
若い成人男女にみられる胸痛です。1921年にドイツのティーツェTietzeによって報告されました。ですから昔からある疾患ですが有名ではありません。一般に第2~3肋軟骨部分を押すと痛いので、痛い場所を指で示すことができます。1か所のことが多いです。他の病気がないことを検査で確認しますが、多くは自然に軽快します。本人にとっては、心臓の痛みかもしれないと不安なわけですから、ちゃんと病名があると知ることで逆に安心できます。ただ、稀に慢性化したり他の疾患の初期症状のこともあるので、数か月も症状が続くのならば再診してください。
〇precordial catch (前胸部キャッチ)症候群 (図:●)
胸の痛みを訴える子供の多くがこの疾患といわれています。突然、左前胸部に刺すような痛みが数十秒から3分ほど起こることが典型的です。安静時に起こりやすく、息を吸った時に痛みが強くなったりもします。押しても痛くはありません。姿勢が悪いことが影響しているといわれていますが、正確な原因は分かっていません。自然に治る病気なので様子をみることになります。