若い人にしか起きない胸の痛み

〇Tietze(ティーツェ)症候群 (図:

若い成人男女にみられる胸痛です。1921年にドイツのティーツェTietzeによって報告されました。ですから昔からある疾患ですが有名ではありません。一般に第2~3肋軟骨部分を押すと痛いので、痛い場所を指で示すことができます。1か所のことが多いです。他の病気がないことを検査で確認しますが、多くは自然に軽快します。本人にとっては、心臓の痛みかもしれないと不安なわけですから、ちゃんと病名があると知ることで逆に安心できます。ただ、稀に慢性化したり他の疾患の初期症状のこともあるので、数か月も症状が続くのならば再診してください。

〇precordial catch (前胸部キャッチ)症候群 (図:

胸の痛みを訴える子供の多くがこの疾患といわれています。突然、左前胸部に刺すような痛みが数十秒から3分ほど起こることが典型的です。安静時に起こりやすく、息を吸った時に痛みが強くなったりもします。押しても痛くはありません。姿勢が悪いことが影響しているといわれていますが、正確な原因は分かっていません。自然に治る病気なので様子をみることになります。

飲み込まれたお餅

正月のお餅は、本人や各家庭の食べ方の慣習もあり、安全を考えて餅を小さく切ると怒る人もいるでしょう。

60℃の雑煮の餅はやわらかいですが、口の中で温度が下がると、硬くなり付着しやすくなります(雑煮を食べたお椀をみればわかります)。高齢者の喉にもお椀と同じことが起こりえます。健常人は、咀嚼して唾液とよく混ぜてから、適切なタイミングで飲み込めますが、高齢者は嚙む力も飲み込む反射も弱く唾液量も少なく、入れ歯にくっつくからと入れ歯を外して食べるなら、危険なのは明白です。仕方ないので飲み込むことになります。

餅の塊は、喉を幸いに通過しても、塊のまま胃を過ぎて小腸に到達します。そこで通過が滞って腹痛などの症状が出ます。実際、正月の胃もたれは餅が原因のことが多いです。さらに悪化すれば腸閉塞になります。

お餅をどうしても食べなくてはいけないなら、家族との久しぶりの会話を一旦中断して、噛むことに専念してください。大根おろし(でんぷんを分解する酵素ジアスターゼ)をまず口に含むのもよいでしょう。

(CT: 小腸にある餅の塊 餅はCTで白く映ります 黄色矢印)

当院の屋上緑化について

当院の所在地は緑化地域ですが、駐車場のため緑の面積が足りず、歩道からは見えないのですがクリニック屋根に多肉植物が並んでます。
手入れはいらないそうです。